Love Butterfly
「京子さん、お食事の時間です」
ああ、またこの時間が……
「お腹痛いから、食べたくない」
「まあ、またですか……お医者さんに行きましょうか」
「明日、行く」
ドアの外で、家政婦の和子さんが、ため息をついてる。
「お部屋で、食べはりますか?」
「そこ、おいといて」
和子さんの足音が遠くなって、うちはまた、プリンセスの絵を描き始めた。でも、なんか、もう、上手く描かれへん。
「おもんない」
しばらくして、階段を登ってくる足音が聞こえて、部屋のドアが開いた。
「仮病やろ!」
「ちがうし」
「早くしてよ! あんたのせいでご飯食べられへんやん!」
お姉ちゃんはそう言って、うちの手をおもいっきり、引張った。
「ほんま、ムカつくわ!」
お姉ちゃんは、うちを睨みつけて、うちのほっぺたを、叩いた。ばちっ、て音がして、これ以上叩かれるのは嫌やし、しかたなく、うちは、ご飯を食べに行くことにする。

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