こころの温度差
「私、もう帰ります。
今日はわざわざ
ありがとうございました。」

サンドイッチの入ったお盆を持って
立ち上がろうとすると、亜矢子が言った。

「待って。あなたはどうするの?」

「あなたには関係ないです。」

今は、そう言うのが精一杯だった。

お盆を返すと、
誰にも顔を見られないように
急いで店を出た。

きっとマスカラが落ちて、
それは酷い顔になっているだろうから。
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