嘘と秘密~空白の恋~
幸せの時間
「ホルンてさ、音が出るところが後ろ向いてるから遅れて聞こえるよね」


つっきーと付き合い始めて大分時間がたつ。


俺は毎日、屋上へと行き、つっきーの練習の邪魔をする。


話している間は楽器は吹けないからね。


最近はつっきーも諦めてしまったのか、楽器を持ってこないことが増えた。


「仕方ないじゃん。そういう楽器なんだから」


つっきーはホルンを撫でながら言う。


「ほんと、象みたいな音がするよね」


「いや、それあんまり関係ないと思う」


つっきーが楽器を持ち上げた。


あ、吹き始める…。


邪魔してやろ。


「あのさ…」


俺が言葉を発したと同時に屋上の扉が開く。


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