エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
たかだか数百メートルの距離にしてこんなにも週末への喜びを感じてしまうのは、ここのところ仕事でのストレスが大きいからに他ならない。

毎日予期せぬ仕事が降ってくる。

それも急な仕事ばかり仰せつかる。

それもこれも、すべて少し前に上司になったリサのせいだ。

ああ、いけない。

週末まであの女を思い起こしてはならない、もったいない。

と、会社でのうらみつらみを頭の中から追い出しながら歩きながら、
家まであと数メートルのところで、葵の家の前に男が一人立っていることに気がついた。

うちを見ている?

怪しい。

家に近づき、彼との距離が1メートルに近づいたところで向こうも葵に気づいたが、何も言わずに葵を見ている。

そして無遠慮に5秒は葵の顔を見続けた後、「ここの家の人?」と声をかけてきた。
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