エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
このメールを読んで葵の心のざわつきは、違う種類のざわつきに変化した。

「こ、これは……」

3人の誰もが予想していなかった沃野の怒りのメール。

そしてGMのリンダに説教メールを送りつけ、さらに社長と近い沃野君はいったいどういう位置づけなのか。

家ではともかく、社内で「沃野君」などと君付けして呼んでる場合か。

沃野さん、いや三崎さんと呼ぶべきではなかろうかと、今更どうでもいいことまで悩み始めた。

それにこの文面を正確にリサが把握できているかは怪しいが、これだとリサからのあたりがますますきつくなることが目に見えている。

「あぁ……」

まだ午後の2時前なのに、もう数時間残業したような疲労を感じ、葵は深い、深いため息をついた。
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