この気持ちをあなたに伝えたい
意外なところ
「どうしたんだ? こんなところへ呼び出して・・・・・・」
「あぁ・・・・・・」

 最愛はある人物に高校の人気のない場所へ呼び出されていた。あまりいい話を聞くことができないことを考えていると、彼が口を開いた。

「イメージと違うな。名波って、もっと女の子らしいタイプだと思っていた」
「へぇ・・・・・・」

 言い放ったのは伏貫猛男(ふしぬきたけお)。数ヶ月前、最愛に告白をした同じクラスの男子。
 自分が勝手に描くイメージ通りと思って近づかれて、がっかりされても最愛は知ったこっちゃない。

「そう?」
「ちょっとショックだな・・・・・・」

 勝手にショックを受けられても、最愛は知らない。

「じゃあ、良かったな?」

 最愛が笑いながら言うと、伏貫は顔を顰めた。

「何がだ? どういう・・・・・・」
「そのままの意味だ」

 最愛が言っていることを理解できず、伏貫は顔を歪めるばかり。

「どういう意味だ?」
「恋人として付き合っていない間に知ることができて、そういう意味だ」
「何だと!」

 最愛の言葉を聞いて、伏貫はすごい形相で最愛を睨みつけた。

「そんな性格だとは思わなかったよ」
「そうか?」

 最愛自身、自分の性格が冷めているなんて思っていない。

「見た目は可愛いけど、本当にそれだけ。もっと甘えたりするのかと思えば全然しない。みんなその顔に騙されているだけだよ」
「はぁ・・・・・・」

 あまりにも喧しくて、最愛は耳を塞ぎたかった。

「何か言うことはないのかよ?」
「ない」

 何もないからどこかへ行くように言うと、彼の顔が怒りで赤くなる。

「この野郎!」
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