恋愛の神様


組敷く女の身体はとても細く、抱くたびに壊れやしないかと心配になる。

だけど、そこは俺の心配など一笑に伏するように柔軟に俺を包む。

そうして快楽に溺れる度に、翻弄されているのは俺の方だと知る。


「マキ……」


浮いた鎖骨に舌を這わせながら、馴染んだ名前を呼ぶ。

熱に浮かされたような瞳が睫毛を押し上げて俺を捕える。


「オマエの人生はオマエのモンだ、スキに生きりゃイイさ。……だけど俺を忘れてくれるな、よ。」


寂しくなったら駆けつけてやるから、抱き合って生きて行こうぜ。

オマエの人生で自己主張なんざしねーから、オマエが必要な時に俺を思いだせばイイ。




濡れた目が一瞬揺らいで、口元にふっと笑みが灯る。


「それはコッチの言い分だわ。……思いだしたら抱きに来て。誕生日じゃなくても、ね。」


甘い吐息が囁き―――最後は嫌味みたいに耳朶に牙を突き立てられた。

いてて。


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