恋愛の神様

息苦しい程の快楽の中でそんな長セリフは言えず、コクコクと頷きます。

すると唐突に快楽が止まりました。


「ところでオマエ、アイツに何された?」

「んぁっ……ふ…え?」

「言え。」

「やっ、……あぁっ」


頭の悪いモルモットに罰を与えるみたいに胸の突起を摘みあげられて大きく仰け反りました。

コレは早く応えなければなんかヤバいです。

ワタクシは朦朧とした頭で質問を繰り返しました。

えと、…何された…アイツ、って…

あ、ひょっとしてハクトさんの事でしょうか。


「な、なにも……されて、ません。…………寧ろワタクシの方がしてしまった、と言うか……」


言い訳がましく小さく付け加えた言葉に、草賀さんが「あぁ?」と凄みます。


「洗いざらいさっさとしゃべっとけよ。今の俺は普段に比べて数倍短気だぞ。」


冷やかに落ちてきた声にワタクシは息を詰まらせました。

草賀さんがなんだか本当に怖いです。

分かっていながらも内容が内容なだけに言い躊躇っていますと、草賀さんは実力行使に乗り出しました。

快楽の自白剤なんて聞いた事アリマセン。

しかし、それほど強力だったのは確かです。

ワタクシは朦朧となった辺りで一切合財を口走りました。


「……へーぇ」


自白を得た敏腕デカは満足するかと思いきや、不機嫌そうにそう言ったきりです。

何故か発散されるオーラも黒さを増した気がしますが、気の所為でしょうか。

いいえ。
気の所為ではなかったようです。

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