Amarosso~深い愛~を召し上がれ♪


牧師は怜士の疑問を読んで、穏やかに微笑してうなずいた。


めいめいの墓碑を建てられない。


それは公にできないということ。


最後まで浮世を流しながら、妻がいなかった男。


法的書類にもいたことがない男。


でも。


怜士は穴の中に視線を落とした。


“土の中にいる”


かつて春の日に車中で男が言っていた。


遺伝上の母。


「欠かさずいらっしゃっていましたよ」


怜士は口元を少しだけゆるめた。
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