隣の窓。
引っ越し

どすっ


10キロはあるだろうダンボールを床に下ろす。

よっぽど長い間掃除していなかったのか
ホコリが舞った


思わずむせる


このダンボール重すぎるよ…
何入れたんだったかな?


「ゆき!早く次の荷物運びなさい!」


下からお母さんの怒鳴り声


まったく、短気なんだから。
…もう歳かな?


「今行くよー」


二階まで重い荷物を運ぶこっちの気持ちにもなってよね。
引っ越しって大変だなー


下に降りると、お父さんと誰か男の人が話してた。


もめてる…のかな?


相手の人は背が高くて、少しガッチリした体型の人。
けっこうなイケメンかも…


…お父さんの方がかっこいいけどね!


荷物を整理する振りしながら、
ちょっと聞き耳立ててみた


どうやら、相手も今日引っ越してきたらしく、うちの車が邪魔で運送業者の人が入れないとか…


しかも、うちのお隣さん…

なんちゅーぐうぜんだよ!


突っ込みたい気持ちになって何気なくそっちを見たら、
めちゃめちゃかっこいい男の子がいた


うわぁぁぁぁ、ちょーかっこいい!!
アイドルみたい!


私より少し年上っぽかった。


相手の家の息子さんかな?
お隣さんとかラッキーー!


もう私は世紀の大スターにでも会ったみたいに、テンションMAXになってた。


すると、ボーっとしてた私の頭蓋骨に
怒りのママチョップが炸裂した


「なにやってるの、早く運んで。」


ジンジンする後頭部を押さえて、
自分の荷物を探した


あ、叱られてるのあの人に見られてたかな…?


ちらっと道路の方を見やった
そしたら…


(#☆○♪÷8\=%→♪)


おもいっきり、目が合っちゃった


急いで家の中に入る。


わああやっぱり見られてたよね、
初対面で最悪だよ、どうしよう


お母さんへの怒りがふつふつと湧き上がる。


でも…


(かっこよかったな、やっぱり)


そういえば、目が合った時も白い目ってわけじゃなかったな。


(笑ってた…かな?)


私の現実逃避じゃないことを祈ろう。















< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop