クールな彼の溺愛注意報




……葵衣。

あたし、ちゃんと約束まもったよ。




『もし、少しでも怖いと思う状況になったら、すぐに電話して』



葵衣に小さな声で耳打ちされた言葉が、頭の中によみがえってくる。




さっき、銀髪の人が通話を切ってから。


あたしはみゆきを抱きしめたとき、3人に気づかれないように操作して、

葵衣に電話をかけていた。



不自然に思われないていどに声を大きくして、居場所をわざと口にしたのも、

葵衣に気づいてもらいたかったから。




『俺が絶対……たすけにいくから』




葵衣も、約束をまもってくれたね。



怖かったよ。


たすけにきてくれて、ありがとう。



……あたしの王子さま。





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