クールな彼の溺愛注意報




ふしぎに思っていると、なぜか二宮くんは無言になった。



お母さん、嘘ついたってこと?

なんで? 嘘つく必要なくない……?



二宮くんは首をかしげるあたしをちらりと一瞥すると、頭からタオルを取って方向転換した。




「もう寝る」




どうやら二宮くんにはどうでもいいみたいだ。

まあ、とりあえず家事は分担していけるってわかったし……。



あたしはドアに向かう二宮くんの背中に、「おやすみ」と声をかけた。




「……おやすみ」




振り向きざまに、あいさつを返してくれる二宮くん。

どきっ、と心臓が反応する。



なんだか……ちょっと、くすぐったい気持ちになった。



 
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