ツンデレ君の虜。【完】
「それでは。ただいまからキャンプの係を…」



「はい!!」



担任の先生がそう言いかけた時に元気よく手を上げる私。



「槙谷 奈留、総務委員で実行委員長やりたいです!!」



そうはっきりと言うとクラスのみんながざわついた。



先生が静かにと注意している。



「槙谷さん、実行委員長はですね…」



「私、責任感強いんでできます!!」



そこまで言うと後ろから背中をたたかれた。



…岬だ。



私はひりひりする背中をさすりながら



「ちょっと何すん…」



「とりあえず席につけ。 …話を聞いてもらえないのは目に見えてる。」



そんな岬の冷静な言葉に私は有無も言えず、黙ってすわった。



先生にわかってもらえなくても…私は実行委員長をやりたい。




『ああ…いいんじゃないか?実行委員長。』




そう言う岬の言葉が頭の中でリピートされる。



私…やりたい。



実行委員長やりたい…



私はそんな強い気持ちを胸にホームルームが終わると先生の元へかけ出した。



「槙谷さん…」




「先生。私…本当にやりたいんです。」



「でもね?槙谷さん?貴方…」



言われることはわかっていた。



…でも。




「私、全力を尽くします。必ず…皆のために実行委員長務めます。」




すると、少し先生の顔が和らいだ。



「わかった。…掛け合ってみるわね。」



そう言う先生に私は頭を下げた。




やった…私、一歩実行委員長に近づいた…!!



その気持ちでいっぱいになって私はガッツポーズを決めた。
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