ツンデレ君の虜。【完】
「次、体育じゃんー」



「マジで?今日暑いしなぁ…だるいかも。」



私は雛と共に更衣室へと向かっている。



「雛、暑いの苦手だもんねー」



「そうそう。だからなるべく外に出たくないわけよ。」



そんな会話を交わしているうちに更衣室へと着いてしまった。







「ごめん。ちょっとトイレ行って来るわ。」



「はーい。」



着替え終わってから私はトイレへ行くという雛を待つことに。



本当に暑い。



もうすぐキャンプが来るというのもなんとなくわかる気がする。








…そんなことを考えていた時だった。






「奈留サーン。」




低い声音。



何度も聞いたことのある声だった。




「高山…!!」



「奈留サン。ちょうどよかったよ~」



私が振り返るとさっきとは一変して声音が変わった。



少しホッとしながらも



「何か用だった?」



と恐る恐る聞く。



すると…





「うん。ちょっとね…」




高山はそう言うと壁に手を置いた。




…えっ?



余りにもゆっくりすぎてわからなかったが…



まさかこれ、壁ドン?





「あのー…高山?」




「君…さ。もしかして自分が何やったかわかってない?」




ニコニコ笑顔を絶やさず聞いてくる高山。





それが逆に恐い。




「あの…どういう…」




「僕、言ったよね?」






高山は私の言葉をさえぎるとまた低い声音になって言った。






















「僕のこと、誰かに言ったらどうなるかわかってるよね?って。」
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