《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★


カットを始めてから、およそ15分。

ーーーで、完成。あとは、髪を流して……。ん?

ガクンと頭を前に垂らす女。カットしている間にも寝たようだ。


ーーー通りで、いつもよりカットに時間がかかる訳だ。下向いたり、横向いたりして頭が揺れてたから固定するのに時間がかかったな。


「俺としたことが、15分もかかった」
腕時計を見た秀馬は、舌打ちをした。

ーーーそれでも……。


鏡に映る女の頭に手を添え、まっすぐにしてみる。

ーーーよし! 完璧な仕上がりだ。
秀馬は、自分のカットに満足していた。


「秀馬さん、俺が仕上げしましょうか?」歩がタオルを持ってやってきた。

女の頭を押さえたままで、秀馬が言う。
「ん? ああ、頼む。……まず、頭を持て。ガクンとなるから」

歩にガクンとなる元ざんぎりの頭を持つのと、最終的な仕上げを任せた秀馬は、次の予約客が来るまでの間バックルームに引き上げることにした。
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