《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
◎クリスマスイブ


◎クリスマスイブ


手を繋いだまま、秀馬に見つめられて立ち止まる歩道。青くライトアップされている落葉樹。


ーーーいつ見ても、惚れ惚れしてしまいそうになる真田さんの顔。


見つめられると、途端に体全体が熱くなる。緊張で固まりつつある体。

「なあ、気がついてる?」

そう聞かれた。


「えっと、何を?」

「歩は、一子を諦めたってことだよ」

「あ、やっぱり、そういうことでしたか。……良かった。歩さん落ち込んでたから、映画を断わりにくくて」


「まだ、断ってなかったのか? 俺が誘わなかったら、もしかして行く気だった?」

うーんと唸り、考えてみた。

ーーー真田さんに誘われてなかったら?
どうだろう。


「こいつっ!」
秀馬が指先で、一子のこめかみ辺りを小突いた。

横に揺れた一子の頭。

「なんですか? いきなり」


「そこで迷うなよ。いいか、よく聞いてくれ」
一子の顔を両手で挟み自分の顔を見させる秀馬。
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