続*時を止めるキスを —Love is...—
とはいえ、央華ちゃんはそんな枠に収まっているような子じゃないらしい。……龍でさえ、彼女には負けている気がする。
もちろん「大人だねぇ」と、唸っているようなアラサーは愚痴聞き役にもなっておりませんが。
「私のことはさておき。龍の見合い相手が何かしてきたら、遠慮なく教えて下さいね!
いざって時は私が加勢しますし、聖吾くんもいますから。
それに私たち、……狙った獲物は逃がさないので。——藍凪さん、諦めたほうがいいですよ?」
美少女からにっこり笑いながら言われても、その発言の恐ろしさのほうが勝っていますよ?
なんだろう、この丸め込まれていく感じは。……と思ったら、龍と一緒なのだと合点がいった。
こうして、思いがけず初対面を果たした彼女。最後に連絡先を交換し、今度はこっちで遊ぼうと約束して笑顔でカフェで別れた。
——そういえば、龍のお見合い話って誰……!と我に返るが、もう央華ちゃんの姿は辺りにない。
すぐにスマホを内ポケットから取り出し、彼女に連絡しようとしたが、まあいっかと再びしまう。
悶々とした気持ちはあるものの、少しでも早くオフィスへ向かうため、来た道を戻っていたその時。
「あなたが浅川さん?」
突然、後ろから声をかけられる。その低めの声色に聞き覚えがなく、不思議に思いながら振り向いた。
するとその先で捉えたのは、黒のファー付きロングコートを着た背の高いひとりの女性。