君だけに、そっとI love you.



とぼとぼと歩き、学校に着いた掬恵。





教室の前の扉に手をかけると、ふと朝自分が母親に対して行なった事についての深い罪悪感が急にふつふつと沸き上がってきた。






下俯き加減、力ない手で教室のドアをガラガラと静かに開けて入る。






席に着いている周翼の姿が目に入った。







元気な様子の周翼が笑いながら軽く掬恵に手を振る。






まだ周翼の声は少しかすれ気味で出にくそうだった。。







何だか、いつもよりも嬉しそうな顔をしている周翼。





両手の指で細長い形を作り、掬恵に付箋を催促する周翼。





それを見て、いつものように付箋の準備をする掬恵。





周翼が取ったのはピンク色の付箋。






周翼が書き終えた付箋を掬恵の机の真ん中にペタリと貼り付ける。








――【生まれたよ!】







付箋を見た掬恵の目が瞬時に点になった。


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