嗤うペテン師
「俺、何か問題あるかな」

「杞憂だね。問題を抱えていない人間なんていないよ。そんな人はいっそ、神にでも転職すべきだ」

「…そういうんじゃなくてさ、こう、なんての?
女が俺を見限る理由、みたいなの?」

「君を見限った女に聞けば?」

「……お前に聞いた俺が間違ってた」

灰皿で煙草の火を消す。
私は煙草を吸わない。この灰皿は彼専用のもの。

「俺ちょっと寝るわ。おやすみ」

「おやすみ」

彼は目を閉じた。
一瞬で意識を失った彼に、私は笑みを浮かべる。

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