俺たちの妹
おずおずと差し出すと、ヒョイっと取られた。

「日向先生。これはそんなになかったではありませんよね。無理は駄目ですよ」

心配そうな目を向けてくれる野村さん。

「そうなんだけどね…今日のカンファレンスは出ておきたくて」

「でも、こんな高熱出てるのに…」

「大丈夫だよ。心配してくれてありがと」

「でも………じゃぁ、彼方先生と佐々木先生には伝えておきます。日向先生、内緒にしそうだから」

野村さんは少し悩んだ後、思いついたかの様に言った。

「え…いいよ〜。迷惑掛けるだけだろうし…」

「ダメです。そこは譲れません」

「はぁ……………わかった」

もう、野村さんと言い合いするのもしんどくなってきて、机に突っ伏した。
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