俺たちの妹
ガラッ

「彼方、みぃ変わりない?」

病室に入り、彼方が椅子に腰掛けていたので尋ねる。

「辛かったんだろうね…寝ちゃったよ。それより…素直に言ってくれないのは正直、堪えるな…」

落ち込んでる彼方……

「俺にも最初遠慮してたよ。でも、俺は主治医だからって言い聞かせただけだよ。それにみぃは誰にでも気を使うだろ?主治医の俺くらいには、素直に心を曝け出して欲しいんだ。そうじゃないとみぃが壊れちゃうよ…」


驚いて顔を上げる彼方。


「誰にも本音言えないのは辛いよ。だから、主治医の俺が捌け口なわけ」

「家族には甘えれないのかな…」

「みぃは、心を曝け出すのは甘えと思ってないと思うよ。
みぃなりの甘え方で甘えてるはずだから、汲み取ってあげて」

「みぃなりの甘え方……」.

「そ。それに、みぃも俺に曝け出してるうちに、彼方達にも無意識に曝け出す時が来ると思うんだ」

< 202 / 702 >

この作品をシェア

pagetop