俺たちの妹
「みぃ?お待たせ」

ベンチに座っているみぃに声を掛ける。

「あ、葵。どう?」

こうして話してる分には、殆ど変化はないんだけどな……

「とっても可愛いよ。誰にも見せたくない」


そう言って、抱きしめた。

「ふふ。ありがとう」



熱いな、熱もあるのかも……

いつもはこんな所で抱きしめないけど、体調を確認していることに気付かれずに確認するには、この方法が手っ取り早かった。



抱きしめながら言葉を紡ぐ。

「みぃ?お願いなんだけど……」

「なぁに?」

「俺には隠さないで」

「…………ごめんね……」

「どうして謝るの?」

「葵も楽しみにしてたでしょ?文化祭。
私と居たら楽しめないよ」

そんな事、気にしなくていいのに……

「みぃがこの季節苦手なの知ってるし、文化祭は、今年だけじゃないだろ?
無理したら、また学校来れなくなるよ」

「それもヤダ」

「じゃぁ、今日は午前中で帰ろう」

「………あ、そうだった」

多分、熱でぼうっとしてたんだろうな……
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