俺たちの妹
『生理』の言葉を使わなくても察してくれる司は、ほんと気が効くな……
「俺と居る時は辛かったら辛いって言っていいからね」
優しい言葉をもらった。
「桜…最後にインフルの検査しなきゃなんだけど、したことある?」
「ある………」
「苦手そうだけど、分かるよね」
「………うん」
ほんと苦手なんだよな……
「すぐ終わるからね」
そう言って袋から出した長い綿棒。
「……や、やだっ」
「大丈夫。俺の目を見つめて5秒数えてごらん?」
司はにっこり笑っていた。
目を見つめていたら、頭を撫でられて、そのまま鼻の中に綿棒が入った。
「………っっ‼︎」
でも、一瞬で終わった。
あんなにイヤな病院での診察や検査がイヤだと思わなかったから、司は魔法使いみたいだった。