俺たちの妹
頭がひんやりした感覚がして、意識が浮上した。

目を開けると、マスクを付けたみぃがいた。

「………みぃ?」

「具合どう?」

心配そうに聞かれたけど、それより気になる事が……

「…………どうしてみぃがここに?」


みぃはにっこり笑って答えた。

「おばさん、用事が出来たみたいでひな兄と一緒に来たんだけど、ひな兄も呼び出しで、病院行ったの」


だからって残らなくても……

「…………うつしちゃいけないからさ……」



俺の言葉を聞き入れなさそうな態度だったけど、一応帰るように促す。


「帰らないよ……葵はいつも私の側にいてくれるもん。こんな時くらい側にいさせて?」


そんな事言われて反論出来ないよ……


「…………マスクはちゃんとしてるんだよ」

「うん、約束する」

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