少しずつ、見えるミライ
嬉しくないと言えば嘘になるけど、一応、今は仕事中だし、四組目にもなると、いい加減、ちょっと面倒くさい。

周りに迷惑にならないうちに、ほとぼりが醒めるとといいいんだけど.......



「朝陽君、すごいね。一気に有名人じゃん。」

「たまたまだよ。」

「一緒に働いてるって、友達に自慢しちゃおう。こんなこと、なかなかないもん。」

「そう?」

「てかさ、朝陽君て、どっかキラキラしてて目立つし、可愛いじゃん? 最初にツイでつぶやいた子もそうだけど、やっぱ、みんな見てるんだね。」

「さぁ、どうだろう。」

「私だけが知ってる、みたいな、身近にいるカッコいいお兄さんが、ミュージックビデオ出てたら、そりゃ、テンション上がるって。」

「そう?」

「うん。なのに、勇気あるよね。」

「え?」

「堂々と、店長とイチャついて。」

「はぁぁぁぁぁ!?」

「デキてんでしょ? バレバレだから。」

「ちょっ、嘘だろ? そんなに売り場でくっついてないじゃん!!」

「バレてないとでも思ってた? てか、今ので、何気にしっかり認めちゃってるし。」

「.......。」



マジか、マジか、マジか、マジか~!?

何だよ、こいつ。 ホントかよ。

今までわかってて、あの態度だったのか?

てか、乗せられて、俺、白状しちゃったのか?

どっちにせよ、ムカつく!!

やっぱりこいつ、性格悪いぜ.......
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