少しずつ、見えるミライ
かく言う私も、完全否定をするつもりはない。

でも、だからと言って、面接に来る子を最初からそういう目で見て振り分けるのは、いかがなものかと思う。

見た目の可愛さから癒しを貰いたいとか、客寄せパンダにしたいとかならまだ、そばに置く理由もわかるけど、手米にするのが目的なんて、末恐ろしい。



そもそも、自分にもそれなりに若さがないと、向こうの対象年齢にすら入れないことを忘れちゃいけない。

ペットにされる方にだって、選ぶ権利はあるのだ。



「いいよ、もう。未帆ちゃんがいらないなら、私がもらう。」

「何言ってんの? 沙苗ちゃんのとこは人数足りてるでしょうが。」

「だって、あんな子、なかなかいないよ。逃がしたら勿体ないじゃん! 考えてみなよ。毎日、あの笑顔を拝めたら、どんだけ癒されると思う?」

「.......。」

「それにさ、未帆ちゃんとこ、正面入口の一等地だから、彼なら、立たせとくだけでも、客寄せ効果ある気がする。」

「あぁ、それはそうかもね。」

「でしょ、でしょ。 ほら、採用!!」

「.......。」
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