地味系男子の意外な素顔




前に出る途中、木村くんを見ると目があう。


そして木村くんは口角をあげて、



バーカ。



と口パクで言った。




とりあえずその木村くんを睨んで黒板の前に立つ。


…なにこの問題、わけがわからない。



黒板の前で立ち尽くしていると、


先生がため息をつく。



「ボーッとしているからこんな簡単なのもわかんないんだぞ。

もういい、戻れ。次からは気をつけろ。」



「……はい。」



もう嫌だ。

恥ずかしすぎる。本当私はバカだ。




「っ、」



目があわない。



木村くんは窓の外を見ていた。




まるで私のことなんて興味がないみたいにーー


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