地味系男子の意外な素顔




頭を抱えていると授業が終わった。



「矢野さん、」



隣の席の男子が話しかけてきた。



「……なに?」



すると男子は私の前の席の子の椅子に座った。



そして私の机の上で教科書を開く。



「よかったらでいいけど、ここの問題解説しようか?

ここ、テストに出やすいし、先生の説明が下手でよくわかんなかったでしょ。」




なんと、なんと、隣の席の男子は性格が良かった。



「ありがと……っ!」



そう言ったはいいけど、

新たに発生する問題。



……この男子の名前私知らない……。



まずい、隣の席なのに。半年以上同じクラスなのに。


< 130 / 322 >

この作品をシェア

pagetop