お前のために歌うから。

「ごめん、瞬…あたしのために来てくれたの?」

申し訳なくて、眉を下げて尋ねる。


「や、俺もどんな場所か気になってたし」

優しく笑ってくれる彼を見ると安心した。

ありがとね、瞬…


結局、あたしはベタだけどイチゴのショートケーキを選んだ。


ふと瞬が頬杖を付き、

「つーかさ、ヒロのどこが良かったの?」と聞かれる。


今その話!?

でもこうやって話して吹っ切っていくしか…ないよね。


「えー、そんなの簡単だよ。 年下なのにしっかりしてて、格好よくて 、尊敬できて…! 後はー…」


あ、あれ?

これだけだっけ?


「ふーん、そーなんだ」
瞬は何故か半笑いで頷く。


「お待たせ致しました。ショートケーキセットとコーヒーです」

店員さんが持ってきてくれたものに、あたしは目を輝かせる。

「美味しそう!」
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