お前のために歌うから。
まあ、ファンの子はそこに萌えるんだろけど。


そんな話をしていると

「きゃー、Avidよー!」とおばちゃんが大声を出した。



え?と廊下の奥を見ると確かに瞬たちが歩いてくる。

「わー、やばい!格好いい!!」と茜も興奮気味。

あたしも見慣れているはずなのに見とれてしまう。


それもそのはず。今から撮影なのか 4人の衣装から髪型やらが仕事仕様で。


完全に「Avid」の姿だから。


近付くと向こうもあたし達に気付いたらしく。


「心菜、お前 何でここいんの?」と瞬が足を止めた。


おばちゃんが え!?と声を出し此方を見ている。


「や、バイト 始めたんだ~」


瞬はバイト?と聞き返すが、あたしが手にしているモップに目をやり

「あー、なるほどね」と納得した様子。


「瞬は今から何するの?」彼の綺麗な服を見て問い掛け。

「あー、撮影。雑誌のな」


なるほど。


「後で連絡する」とあたしの耳元で告げ。


あたしは内心ドキドキで、精一杯 平然を装って頷く。


彼は じゃあなと手を上げ。あたしも振り返した。
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