最も危険な  ルームシェア
「おいおい、夫婦喧嘩はよそでやってくれよ。」

俺の声にゆずるもお律も険悪な顔を向けた。

「なんですって?」

お律が俺にすごんだ。

美人にすごまれると後退りたくなる。

「二人ともいい加減にしてくれよ。近所迷惑だ。」

ゆずるが先にあきらめたようだ。

俺はもう一言放った。

「ゆずる、大家がそんなんでいいのか?」

「悪かった。謝る。」

「ゆずるさん、この続きはまたにしましょう。」

ゆずるは返事もせず帰る彼女を見送りもしなかった。

俺はこの情況をレッドレベルとした。

「いいのか?送らなくて?」

ゆずるは俺にも無言で自分の部屋へ入ってしまった。

「真司さん。」

俺にはまゆの心情が手に取るようにわかった。

俺も同じだからだ。

「参るよ。二人ともどうかしてる。」

「単なる言い合いならいいんですけど。」

「もっと深刻なレベルだろ。」

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