最も危険な  ルームシェア
双子の兄平次郎が親父とカナダから帰国した。

律のオフィスで一同が会した。

親父の一声は妹には通じないと私は確信した。

「当分仕事優先だ。律は私とニュージーランドへ飛ぶ支度をしなさい。」

妹は眉間にシワを寄せた。

「お父様、私は予定があるの。」

「キャンセルできんのか?」

「たまには私を優先してくださっても。」

「だってもあさってもない。出国は今度の週末だ。いいね。」

「・・・・・」

妹は無言だった。

今度はどこのどいつに熱を上げているやら。

私は妹が親父との予定をすっぽかすと想定できた。

だが実際は今までとは比較できない程のクールで危険な男を同伴して

ウエリントンへやって来た。

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