恋は盲目 Ⅱ 〜心を見せて〜

「私があなたと早希をカップルにする為

に協力しろと言う事でしょうか?」


(あははー)


笑いだす男。


「ごめん、少し違う。俺の友達と君の友

達の早希ちゃんをくっつけようって相談」

相談⁇

いつあなたに相談されたんですか⁇


話の流れでは決定事項だったと思うんで

すが⁈


「その友達さんってどんな方ですか?」


「なんで⁇」


「私はそのお友達を知らないし、協力で

きるかは話を聞いてみないとできません


「君って友達思いなんだね」


また笑みを浮かべたその瞬間、キュンと

胸が高鳴る。


「俺、仕事の途中で寄ったからあまりゆ

っくりできないんだよね。君も忙しそう

だし今日の夜、待ち合わせしない⁈」


いい男はこんなにスマートに誘うんだと

実感してしまう。


「わかりました。20時過ぎなら大丈夫で

す」


「了解‼︎じゃあ、そこの【Confor

t】コンフォルトで待ち合わせね」


よろしくと言って私の頭をポンポンと叩

き帰っていく。


染まる頬を押さえつぶやく。


(初対面でこれ⁈ありえない)


この忙しい時に、どれだけの時間のロス

をしたのよ。


(はぁ〜)


手渡された名刺をもう一度見る。


「飯島 雅樹 か…」


去り際に香るほのかに甘い匂い。

なんの匂いだったのだろう⁈

香水でもない不思議な香り。

ーー
ーーーー
ーーーーーー

なんとか閉店19時までにはチェックが終

了した。


閑散とする中


『カタ、カタ、カタ』


1人パソコンに在庫数を打ち込んでいく


(もう、なんでこんなにあるのよ)


イライラして打ち込んでいる指に力が入

る。


「お疲れ〜、早希。もうすぐ終わりそう

⁇」

「あっ、お疲れ〜」


パソコンの画面を見ていてもわかる友達

の声がすると背後から画面を覗く奈々。


「まだ、かかりそうだね」


「うん」


早く終わらせないとと気持ちが焦ってい

るせいか生返事の早希。


「じゃあ、仕方ないか‼︎相談あったんだ

けど今度にする」


「ごめん……相談なんて珍しいじゃない

。なに⁈男関係‼︎」


話ながらも画面に集中し手を休めない早

希。


「…………」


黙り込む奈々。

図星か…

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