チェンジ!
【 第6章 】

カミングアウト



どうしよう!?





美保が俺を好きで居てくれたなんてめちゃめちゃ嬉しい。
俺だって美保が好きなんだから!




美保が俺の彼女になるなんて‥‥そんな幸せなこと信じられないくらいだ!






‥‥けど。



だからって、
このまま、告白の返事をするわけにはいかない‥‥だろ!?
美保を騙したまま付き合うなんて、そんなこと出来ない。










だって、俺たちの嘘のせいで
美保は俺を智也だと思ってるんだから。


俺が美保と出会った日から
美保は、「智也」を好きになったわけだから



きっと、美保が好きになってくれた相手は
俺なんだと思う。






だけど。



その俺が、

「智也」じゃないと知ったら?
「智也」のふりをしていた弟の正志だと知ったら?






美保がいちばん嫌がる、「嘘」を俺がついていて

美保がいちばん傷つく、「だます」ことを俺がしていたと


いま、美保が
知ったら。




どうなる‥‥‥?








「あ、あのさ‥‥」

でも
だからって言わないままにはできないだろう!?






言わなきゃ。
言わなきゃ、俺!



でも‥‥

畜生、俺のいくじなし!
言葉が出ねぇよ‥‥!



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