チェンジ!


「‥‥‥ありがとう!」


俺は、言葉をつまらせそうになりながら、
それだけ言った。






ありがとう。
智也、本当にありがとう‥‥。


へこたれそうになる俺を励ましてくれる智也の優しさが身にしみて、
俺は少し目がうるみそうになった。





‥‥よく考えたら、
智也だって昔美保が好きだったんだよな。


そんな美保を、俺が持って行ってしまおうとしているのに‥‥
智也は笑って、ガンバレ、と俺を応援してくれる。




『美保への気持ちは終わってる』。
そう言った智也の言葉も、本当のことなのか俺を思っての嘘なのかは分からないけど。


智也に背中を押されて、
俺は、胸の奥がじんとした。




< 274 / 296 >

この作品をシェア

pagetop