近距離ロマンス
「お前あいつらに勝てそう?」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべたところで、松本があたしに声をかける。
いつものように、あたしの頭の上に腕を置いた。
「死ぬほど勉強したから」
グッ、とあたしは松本に向かって親指を立てて握り締めた。
「死ぬほどって?」
「きのうときょう、徹夜~」
「まじで…。テスト中に寝るとか、やめてくれよ。頼むから」
「おっけーおっけー。ばっちぐー」
ほんとうは、今目を閉じたら眠ってしまいそうなくらい眠いよ。