【完】復讐の元姫







「……ただいま」



──午後6時半。

先に帰宅した雅に、千夜ちゃんが「おかえりーっ」と笑みを向ける。それから、お決まりのあのセリフ。



「トリックオアトリート!」



雅は一瞬不思議そうな顔をした後、すぐにハロウィンだと理解したのか、ぽんぽんと千夜ちゃんの頭を撫でた。



「残念ながらお菓子は持ってねぇから、お菓子より甘いものでもいいか?」



「へ……? みや、ん……っ」



……あら。

ラブラブね、と思ってみていれば、千夜ちゃんが顔を真っ赤にして、雅を睨む。




「っ、雅のばか……」



「イタズラしたかったのか?」



「もういいもんっ。汐乃さんっ、晩ご飯の残りのお手伝いします!」



「ふふ。雅、着替えてらっしゃい」



千夜ちゃんは、雅がお菓子を持ってるわけない、と過信していたんだろう。



そして、事実、雅は持っていなかった。



だから、イタズラとして、彼女は雅にしたいことがあったんだろうけど……こればかりは、雅の方が上手だったから仕方ないわね。



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