【完】復讐の元姫
「シオさん」
泣きそうな顔で私を見つめた彼を寝かせて、体温計を渡す。
「俺は、」
「熱ありそうだから、早く治さなきゃ」
部屋の中。
來唯の言葉を聞かないように、熱冷ましのシートを探す。
ガサゴソと漁ってる間に、ピピピっと体温計の鳴る音がして。
「38.2℃です」
「高いわね」
ちょうど見つけたシートを、彼の額に貼る。
「お昼食べた?」
「まだ、です」
「早く来てよかったわ。
お粥作ってくるから、それまで大人しくしててね」
「……わかりました」
部屋を出て、つい。