花のような笑顔
ハッといきなり狼の目が開く。


華『狼、うなされてたみたいだけど大丈夫?』


そう聞くと返事もせず、狼は抱きしめてきた。


狼『華…華…いる……ここにいる…よかった…。』


今まで聞いたことのないような弱々しい声で言う。


華『怖い夢でも見たの?』


狼『あぁ。でも大丈夫だ。ここに華がいるな大丈夫。』


自分に言い聞かせるかのように狼はそう言った。
狼は私を抱き寄せて、この方が落ち着くと言って眠りに落ちた。

狼に抱きしめられると落ち着く。
咲子さんのことはずっと引っかかっている。


でも今だけは…そばに…そんなことを思いながら眠った。
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