しろっぷ
「えっと住所見て来たんですけど、これ、この住所です?」
 ゆかりはスマートフォンを出し、ネットの掲示板に書かれたこの住所を女子高校生に見せた。
「そうですね〜」
 眉毛をピクリとも上げず淡々と接客する女子高校生。
 しかも、何故かガムで風船を作り、まるでゆかりを挑発しているようだったが、そのような意思はない。

 何様なのよこの子はもうーーー!?

 そう大声を上げて説教しようと考えていたが、それでこの店に来づらくなることは避けたかった。
 それはつまり関節的に木下に負けてしまうことを意味し、ゆかりはプライドのためと無理やり作り笑いをし、この店のルール通りのことを開始。
「橘ゆかりでお願いします」
「はいはい、橘ゆかりさんね」
 女子高校生の言動にイラつくが、もうこの二度とここには来ないのだと言い聞かせたゆかり。
 一方、女子高校生は先ほど平仮名が書かれた棚の『た』の前に立ち、何かを取るとレジへ。
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