歩道橋で会おうね。







コンビニ独特の音を聞きながら、あたしは飲み物売り場に直行する。



お客さんは立ち読みの人が数人だけ。

お店の人は1人男がいるけど、暇そうにしている。

まぁ混んでいるより良いよね。

このコンビニ、高ノ宮高校の生徒とか朝いるし。

あたしたまにこのコンビニでお昼ご飯買うからさ。

アオと待ち合わせしているのに、目の前には多くの生徒が並んでいて、毎回心の中で溜息つくんだよね。

朝もこれぐらい空いていると良いんだけど。

まぁそうもいかないか。




あたしは飲み物売り場からオレンジジュースを取り出し、レジへ向かう。



「…らっしゃいませー」



やる気なさそうな返事をしながら、店員さんはバーコードを読みこんでいく。

見る限り、あたしと年齢は変わらなそう。

多分バイトのお兄さんかな?



「100円になりまーす」



100円玉を置くと、お兄さんはふとあたしを見た。



お兄さんは、別にイケメンでもないし不細工でもなかった。

ワックスで整えたであろう明るい茶髪。

つりあがった黒い瞳。

耳には数個のピアスをしていた。



なんともチャラいお兄さんだ。







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