The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
本当の事は気まずくて聞けない。


私は静かに車の助手席に乗り、俊哉も運転席に乗り込みエンジンを掛けた。




視界の先には見慣れた国道と沢山の山が見える壮大な景色が広がっている。


きっと俊哉は、この道を私の家に向かって車を走らせていた。




ホテルから私の自宅までは約25分。


その間私たちはあまり会話を交わさず、必要最低限の言葉のみ発していたような気がする。




車を運転する俊哉の表情は、まだ少し気まずさを露わにしている。


そして私も、ずっと俯いたまま彼の目を直視する事ができなかった。
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