《詩集》虚構の復路

綺麗事

『綺麗事』

彩られた風の中で
過ぎる優しさに護られながら
私は何時も不器用に傾くしかない

幸せは勝ち負けじゃないって
そんなことを騙ったりして
本音と建前を
巧く使いこなしてるつもりで

作られた幸せなんて要らないと
青臭く走りながらそうやって

大事なことを見過ごしていた

此処に無くたって良いものが
此処に在るのに
其処に在るべきものが
其処には無い

焦れったくて歯痒い感覚に

昨日まで親身にしてた日常へ
控えめに手を振ってみる

たとえ間違いでも
傲慢でもいいから
ただ綺麗な世界を生きてみたい

いつか誰か
降ってくるんじゃないかと

水みたいな青を見つめて
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