たった一人の甘々王子さま


浩司はギュッと抱き締めて、チュッと触れるだけのキスをする。


そして、優樹の左手にキスを落とすと今嵌めているペアリングを外して


「はい。お待たせ。今日からはこれね。」


と、エンゲージリングをズボンのポケットから出して新しく嵌めた。


「結婚式までだけど、ちゃんと此処につけてて。ね?」


浩司が優しく微笑むと、優樹は浩司の首に腕を巻き付けて抱きついた。


「浩司、ありがと。大好き。」


浩司も、優樹の身体を包み込んでそっと耳元で囁いた。


「優樹、抱いていい?」


「ん。」


浩司の首筋に『チュッ』と優樹の唇が触れたのが合図になったのか、すぐに浩司の唇が優樹の唇を塞いだ。


唇を合わせながら、お互いの服を脱がせていく。


下着姿になったところで、浩司は優樹を抱かえてベッドへ寝かせる。


あっという間に組敷いて、優樹に触れるだけのキスをする。


優樹は恥ずかしくなって顔を隠してしまう。



「たくさんキスしてあげるよ。」


そう言って優樹の顔を隠す両手を掴んで優樹と見つめ合う。


チュッと唇にキスを落とすと、浩司の唇は鎖骨、胸、脇腹、腰へ移動していく。


昨夜付けた赤い痕を見つめると、重ねるように口づけを。


「優樹、愛してる.........」



優樹の吐息が漏れると、浩司の舌は更に優樹を攻め立てる。
キスをして、吸い付いて、舌で優しく撫でていく。
悶える優樹が愛おしくて、浩司の愛撫は止まらない。
優樹の腰が大きく震えると、叫び声が聞こえた。


「優樹........」


肩で息をする優樹の名を呼んだが、返事は吐息だけ。



優樹は小さく頷いて、浩司を求めて両手を伸ばした。


浩司が優樹を包み込むように身体を倒すとゆっくり優樹の中へ入っていった。


静かに腰を揺らして優樹の声を引き出す。
何度も抱いているのに、今日の優樹の中はとても気持ちがいい。



優樹の赤らんだ顔が艶っぽくて、喘ぎ声も色っぽくて、気持ち良さそうな顔が浩司を煽る。
が、ちょっと腰の動きを止めて意地悪をしてみる。


突然止まった浩司の動きに物足りなさを感じたのか、トロンとした優樹の目が浩司を捕らえた。


優樹はすぐ傍にある浩司の唇へキスをして強請(ネダ)る。


「優樹......」



呼び掛けたせいで出来た隙間を逃すまいと優樹の舌が浩司の口の中へ入り込む。
浩司の頬に手を添えて引き寄せる。
『逃がさない』そう言っているかのように。


求められる事に喜びを感じた浩司はゆっくりと引き抜いたあと、優樹の奥へと昂りを突き立てた。


二人が繋がっているところからは、潤った音しか聞こえなくなる。
浩司の腰が速度を増していくと、ぶつかり合う肌の音も追加される。


優樹の中に快楽の波がやって来て、キスすらできなくなった。
与えられる熱を受け入れるだけで精一杯。


可愛く悶える優樹を眺めながら突き上げていく。


「優樹........愛してる.........」



浩司の挿入する角度が変わって激しく腰が揺れると優樹の喘ぎ声も大きくなる。


顔を左右に振るときは限界が近い合図。
さらに潤いが増していく。


浩司の昂りが際奥を刺激して二人は限界を迎えた。

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