病愛。【完】
「どこに行く?」




と言われたので私はとりあえず





「買い物する。」




と言った。




そして恭平が連れてきた場所は商店街。




「存分に買い物しろよ?」





満足そうに笑う恭平。





私はそんな恭平を横目に店を回った。





友達と来ると楽しいこの場所も…





恭平と来るとなんだか楽しくない。





やっぱ誰と来るかで違うんだな…と、そう改めて感じた。





「…なぁ。綾香。」




「何?」




私は恭平に呼ばれたのでそちらへ向かう。





「この髪飾り…お前に似合うと思うんだけど。」




そう言い恭平が手にとったのはバレッタだった。




「そう?」




リボンの形で青色と白色のボーダー。




中心にはボタン型の飾りがついていた。







「つけてみろよ。」




「いいよ。私は。」




私は断固拒否した。




だって恭平に選んでもらったのなんてつけたくない。





「いいからつけろ。」




そう言い私の髪に無理やりバレッタをつけた。




「ちょっ…?!」




無造作につけられたバレッタ。





「鏡の前に立ってみろって。」




そう言い私を鏡の前に立たせる恭平。




私の髪につくバレッタは…




適当な場所につけられている。





でも、自分でも思うほど…私に似合っていた。




「可愛い…」




私はついそう言葉をもらしてしまった。





「ほら見ろ。可愛いだろ?」




恭平はそう言い笑った。




その笑顔に…




「っ……!!」





私は目を奪われた。




心臓が跳ねまくる。





恭平の笑顔が…頭に焼きついて消えない。
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