イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい

　ひとりでいるのが辛かった。ひとりで……死ぬのが怖かった。

このままじゃいけない。

　何か別の事を考えよう。

　別の事……。

　そう言えば、瑠海に宿題出されたっけ。

　でも、誰だってあんな風に言われたら顔火照るよね？

『桃華が好きだよ』
　
　瑠海はあの時私にそう囁いた。

　告白されたのなんて生まれて初めてで……。

　ブランデー色のあの綺麗な瞳に私は射ぬかれた。

　冗談って思ったけど、あの目は本気だった。

　お陰で私は寝不足だ。

　じゃあ、私はどうなの？

　昨日から考えてるけど、まだよくわかんない。

　でも……。

「また瑠海と一緒にカニ食べて、日本酒飲んで温まりたい」