イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 運命をそのまま受け入れるか。

 それとも……。

 本当なら今日は日本に戻っているはずだった。

 だが、あと一週間はルクエにいなければならない。

 ルクエ王室主催のクリスマスパーティまで。

 それが大公である叔父の意向だ。

 そこで、正式に俺を皇太子としてお披露目するつもりらしい。

 息子が亡くなったのだから自粛すべきだと進言しても、叔父は聞く耳もたない。

「お前まで私をがっかりさせないでくれ。これは命令だ。国民もお前に期待している」

 相変わらず叔父は頑固だった。

 ギスランがああなった原因のひとつは叔父が厳格過ぎたからではないだろうか。

 それにしても……。

「タイミングが悪すぎる」
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