イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 友達と泊まるんなら全然いいの。

 でも、瑠海と一緒となると逃げ場がないというか、すごく狭く感じる。

 絶対瑠海ならもっと広い部屋借りられたと思うのに……。

 彼はこの状況を楽しんでる。

「桃華、目が泳いでるけど。どうして俺の方を見ないの?」

 もう、わかってるくせに。

仕方なく彼に目を向けるが、やっぱり正視できない。

イケメンすぎて、心臓がバクバクしてきた。

 どうしてこの男はこんなに意地悪なんだ!

 彼は自分の武器をちゃんとわかってるから質が悪い。

「ははっ。料理がいっぱいで目移りしちゃって~。さ、さあて、早速頂きましょう!」

 話を誤魔化そうと、私は咄嗟に箸を持った。

「ふふ、まあ良いけどね」

 大人の余裕なのか、瑠海は私の反応を見て楽しんでいる。
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