イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
" 肌が見えないから男は余計に想像するんだよ。 "

 うっ、嫌な事思い出しちゃった。

 でも、男の人って……誰でもそんな事思うの?

 本当に?

 瑠海の嫌がらせじゃなく?

 沈黙を見かねて兄が口を開く。

「桃華はアールエヌグループに勤めてるんだ。秘書をやってるんだが最近上司が代わったらしくて。桃華、上手くいってるのか?」

「良いわけないでしょう?昨日なんて、ちょっと食事にって言って香港まで行っちゃったのよ!もう信じられない」

 私の話に木村さんがクスッと声を出して笑う。

「僕の上司にもいますよ。ちょっと行って来るって言って、イタリアまで行っちゃった人。ねえ、先輩?」

 木村さんの問い掛けには応じず、兄はそ知らぬ顔でコーヒーを口に運ぶ。

「お兄ちゃん……」
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