ナイトからのLove letter
ファーストコンタクト
4月も半ばを過ぎ 新学期も始まっていた

私は駅のロータリーに車を滑らせ 改札口に目を懲らす

昼から振り出した雨は、夕方になって一層激しさを増し 槍のようにフロントガラスを打ち付けている

娘達は今朝あれ程言ったのに、傘を持たずに出かけていった

「迎えに来てあげるなんて、過保護かなぁ…」

…大きなため息をひとつ吐き出したその時

携帯のバイブが勢い良く鳴り響いた

…またか…

憂欝な気分でメールを開く

それが 彼“雅也”との最初のコンタクトだった
< 1 / 209 >

この作品をシェア

pagetop